トップサイクリストになるのも夢ではない!? ~『サイクリストのためのストレングスとコンディショニング』を読んで~

筋トレ
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みなさん日々の生活ご苦労様です。

ギョーテンです。

前回、栗村修氏の「栗村修のいちばん身につく最強ロードバイクトレーニング」を紹介しました。

実はもう一つ、ロードバイクのトレーニングに関する本を購入して読んでいましたので、そちらもあわせてレビューしたいと思います。

本のタイトルは、「サイクリストのためのストレングスとコンディショニング(以下、本書という。)」です。

家で、ひとりでもできる。

という、コロナ禍のStayhomeのお供に最適なキャッチコピーに釣られて購入してみましたが、内容は、トップサイクリストを指導してきたコーチが提唱するトレーニング方法を科学的根拠に基づいて解説した、栗村氏の本とは対照的な、がっつりトレーニングブックでした。

著者について

本書の著者と日本語監訳者の簡単なプロフィールを紹介します。

フィル・バート(Phil Burt)氏

1999年に理学療法士の資格を取得して以来、さまざまなスポーツの分野で、世界最高のアスリートたちを支え続ける。2006年からブリティッシュ・サイクリングで、主任理学療法士に就任。大胆かつ最先端の手法を用いて2008年の北京オリンピック、2012年のロンドンオリンピック、2016年のリオオリンピックでチームを指揮。また、バイクフィッティングの世界的権威であり、リトゥール・ワールド・ボード・アドバイザーズやサイクルフィット・シンポジウム組織委員会に名を連ね、SASやイングランドプレミアリーグといった一流スポーツ組織でもアドバイザーを務める。2018年にはブリティッシュ・サイクリングを退職し、philburtinnovation.co.ukを開設。サイクリストを対象としたケガの診断とその治療、バイクフィッティング、空力性能の評価、サドルチェックといった幅広いサービスを提供し、独自の革新的な商品開発にも力を注ぐ。世界的な著名人として公演を行うかたわら、自身でも最大限自転車に乗っている。

本書著者近影より

参考 : PhilBurt氏Twitter

マーティン・エヴァンス(Martin Evans)氏

2003年にスポーツおよび運動科学の学士号を首席で取得した後、コーチング科学のポストグラデュエートコースを優秀な成績で修了。イングランドスポーツ研究所(EIS)では上級ストレングス&コンディショニングコーチとして、また同研究所内のブリティッシュ・サイクリングでは主任ストレングス&コンディショニングコーチとして勤務。このとき彼が考案したストレングス&コンディショニングの戦略は、グレート・ブリテン・サイクリング・チームの全選手の強化プログラムに採用された。また、彼自身も主要なスタッフとして金メダルを目指す選手たちを支え、2012年のロンドンおよび2016年のリオオリンピック&パラリンピックに挑んだ。現在はイングランドサッカー協会のウィメンズ・フィジカル・パフォーマンス主任を務め、すべての女子代表チームのコンディショニング戦略を監督。またEISでも勤務を続け、さまざまな分野のスポーツ科学に精通する医療スタッフとして活動。自転車やサッカー以外にも、世界レベルでの水泳、トライアスロン、ラグビーなど、多様なスポーツ界で選手を指導している。

本書著者近影より

参考 : MartinEvans氏Twitter

西薗 良太氏(監訳者)

元プロロードレース選手。スポーツデータアナリスト。1987年鹿児島県生まれ。鹿児島第一高校を経て、東京大学に進学。全日本大学対抗選手権(インカレ)の自転車競技・個人ロードラース及び個人タイムトライアルを制し、学生ロード二冠を達成。2011年、東京大学工学部計数工学科システム情報専攻を卒業し、シマノレーシングに加入、日本初の東大卒プロロードレース選手として話題になる。ヒルクライムでの強さを誇ったが、理詰めでフォームや戦略を組み立てていくタイムトライアルも得意としており、全日本選手権を3度制覇するなど、トップレベルの実績を残し、2017年シーズン終了とともに引退。

本書著者近影より

引退後は、本書のように、海外の有益な情報を日本へ持ち込んだり、ポッドキャストなどを活用して、積極的な情報発信をされています。

参考 : 西薗良太氏Twitter

本書の構成

本書の概要は、各章ごとにおおよそ以下のような内容でした。

CHAPTER1 アセスメント

トレーニングに取り組む前段階として、自身の肉体レベルをアセスメント(自己評価)する方法が紹介されています。

このアセスメント結果によって、本書で紹介されているどのトレーニング方法に取り組むべきかが分かります。

CHAPTER2 可動域改善エクササイズ

CHAPTER1のアセスメントの結果、本格的なトレーニングメニューに入る前の準備が必要な方向けのメニューが紹介されています。

主に、ストレッチと筋膜リリースを主としたエクササイズです。

CHAPTER3 サポートを利用した状態でのコントロール能力改善を目指したエクササイズ

CHAPTER1のアセスメントの結果、ある程度の身体レベルを満たしている方向けのメニューが紹介されています。

主に、壁などの支えを利用した、比較的難易度の低いメニューが紹介されています。

CHAPTER4 サポートを利用しない状態でのコントロール能力向上を目指したエクササイズ

本格的なトレーニングメニューが紹介されています。

よくある一般的な筋力トレーニングメニューが紹介されています。

CHAPTER5 挑戦しよう

CHAPTER4より難易度の高いトレーニングメニューが紹介されています。

上級者向けの章です。筆者も、「プロ選手でも、これほど高いコンディショニングレベルに達している人は少ない。」と、まとめています。

本書の使い方イメージ

本書のざっくりした使い方をイメージ図に起こしてみました。

各章への具体的な進み方については、本書の中でフロー図をもとにしっかりと解説されていますので、下の図はあくまで参考です。

1回アセスメントして終わりではなく、定期的にアセスメントを行うことで、自身の不調にいち早く気づくことができる。

感想

まず思ったのが、「競技での成績向上」よりも、「トレーニングを持続可能なレベルで行い、生活全体の質の向上につなげる」事に重きを置いて解説しているな、ということです。

他競技のトレーニング関連の書籍は読んでいないのでわかりませんが、最近はトレーニングにもサステナブルの考えを取り入れるのが流行しているのでしょうか。

それとも、これは自転車競技だけの特異性なのでしょうか。

また、海外の本らしく、使われている言葉や内容が非常にポジティブでした。

〔中略〕完成された一流アスリートに近づくには、データ、知識、そして医療やボディコンディショニングの専門家のアドバイスを得ることが王道でしょう。しかし安心してください。本書を熟読すれば、同等のアドバイスを得ることができます。

〔中略〕高価な設備も、ジムへの入会も必要ありません。大半のサイクリストは自宅にいながら大きな進化を遂げ、目覚ましい効果を実感できるでしょう。

本書本文より

こんな感じで、「この本を読んで実践すれば、あなたは確実にレベルアップする!」という表現が本文中にはよく登場します。

その言葉も、ただ胡散臭いような言い方ではなく、「なぜそう言い切れるのか」という科学的な根拠を添えて解説されていますので、非常に説得力があり、「この本を読んで実践すれば、自分もレベルアップ確実なのか?」という気にさせてくれます。

事実、自分はその気になって絶賛この本の内容を実践中です(効果が出るのは当分先だと思いますが)。

もう一つ感じたことは、本書は、前回紹介した「栗村修のいちばん身につく最強ロードバイクトレーニング」とセットで読むと、よりトレーニングへの理解が進むな、と感じました。

2冊の違いは、栗村氏は持続可能な自転車ライフスタイルの重要性を中心に解説していて、本書は、持続可能な自転車ライフタイルを実践するための手段を中心に解説している、という点です。

どちらも自転車に乗るだけでなく、その前段階、しっかりとした土台作りのためのトレーニング(筋力トレーニングなど)の重要性を説いています。

本書は、具体的なトレーニングメニューの紹介に重きを置いているだけあって、自分の身体能力のレベルを測るところから、自分のレベルに応じて、どのようにトーレーニングを進めればよいのかが、図を交えて説明されています。

ただ一つ、難点なのは、本書で紹介されているトレーニングメニューの解説が、自分のような素人レベルではちょっとわかりづらいことです。

トレーニングに関する知識がゼロの状態から始めようとすると、どうやれば良いのかよくわからない内容もあって、若干躓きます。

そんな時、自分はYoutubeで検索して、似たような動きをしているトレーニングを参考にしています。

やり方としては邪道かもしれませんが、とりあえずやってみるの精神で、実践していこうと思います。

※自分の肉体レベルをアセスメントした結果、「一から改善が必要」という結果となりました。

いくら毎日筋トレを頑張って、半年で-6kgを達成したとしても、アラフォーが独学で頑張ったレベルなんてものはしょせんその程度ということがよくわかりました。

若干落ち込みましたが、ここは素直に受け止め、ROM改善ストレッチ(筋膜リリース)から始めていこうと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

内容としては、トレーニングを一から見直すことが目的の本なので、ロードバイク初心者からベテランまで、幅広く対象としている内容でした。

本書のトレーニングが本当に効果があるのか、今時点では分かりません。

その結論は、これから自分が実践して、紹介していきたいと思います。

今回紹介した商品

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