自転車のハイビーム多すぎ! 正しいヘッドライトの取り付け方を調べてみました。

交通ルール
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みなさん日々の生活ご苦労様です。

ギョーテンです。

最近、仕事が忙しくて帰りが夜中になるのですが、その中で非常に気になることがあります。

対向の自転車のヘッドライトがまぶしすぎる事です。

なんというか、自動車でいうところのいわゆるハイビーム状態で走っている人が多い気がします。

ライトをつけている側は見えやすくて良いかもしれませんが、こちらは正直まぶしくて前が見えないので、非常に危ない思いをしています。

昔はこんなんじゃなかったと思うんですけど、最近何か変化があったのでしょうか(自分の目が弱ってきただけかもしれませんが)。

※ネットの色々な情報を見るに、真偽のほどは定かではありませんが、どうやら自転車用ライトのLED化が進んでライトの性能が向上しているにも関わらず、対向車への配慮が欠けた構造のライトが標準装備されているのが原因っぽいですね。
参考:眩しい自転車LEDライトは構造の欠陥(環境めぐり)

ということで今回は、自転車の正しいヘッドライトの使い方について、法律的にどうするのが正しいのか、調べてみましたので紹介します。

光害という言葉もあります。

他人との無用なトラブルや交通事故の誘発を防ぐためにも、一度、ご自身や家族の愛車をチェックしてみてください。

参考:自転車用ヘッドライトの選び方(CATEYE公式HP)

この記事の要約

  • 夜間に道路を走行する際には、ライトを点灯しなければいけない。
  • 自転車を含む軽車両のヘッドライトの点灯方法は、各都道府県ごとに定められている(近畿地方2府5県は同じ)。
  • 自転車を含む軽車両のヘッドライトは、白色または淡黄色のライトで夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度が必要。
  • 10メートルは、路線バスの全長とおなじくらいの長さ。

夜間に走るとき、ライトは必ず点灯しなければいけないのか? ー法律的根拠ー

そもそもの大前提として、「ライトって法律的に必要なのか?」という点から調べてみました。

道路交通法では、車両走行時の夜間ライトの点灯について、以下のように記載されています。

1 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

道路交通法第52条より

この中の「前照灯」というのが、いわゆるヘッドライトの事です。

道路交通法では、夜間に車両が道路を通行する際には、ヘッドライトを含めた各種灯りを点けなければいけない、とありますが、「具体的な点灯方法」は書いていません。

具体的な点灯方法は、道路運送車両法(道路を通行する車両に関する基準を設けた法律)における道路運送車両の保安基準第二章第三十二条の中で、以下のように明記されています。

(前照灯等)
第三十二条 自動車(被牽けん引自動車を除く。第四項において同じ。)の前面には、走行用前照灯を備えなければならない。〔中略〕

2 走行用前照灯は、夜間に自動車の前方にある交通上の障害物を確認できるものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
3 走行用前照灯は、その性能を損なわないように、かつ、取付位置、取付方法等に関し告示で定める基準に適合するように取り付けられなければならない。
4 自動車の前面には、すれ違い用前照灯を備えなければならない。ただし、配光可変型前照灯又は最高速度二十キロメートル毎時未満の自動車であつて光度が告示で定める基準未満である走行用前照灯を備えるものにあつては、この限りでない。
5 すれ違い用前照灯は、夜間に自動車の前方にある交通上の障害物を確認でき、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
6 すれ違い用前照灯は、その性能を損なわないように、かつ、取付位置、取付方法等に関し告示で定める基準に適合するように取り付けられなければならない。

道路運送車両の保安基準第2章第32条より

加えて、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の中で、ライトの明るさの基準について以下のように説明されています。

(前照灯等)
第 198 条 走行用前照灯と同等の性能を有する配光可変型前照灯を備える自動車として保安基準第 32 条第1項の告示で定めるものは、灯光の色、明るさ等が協定規則第 149 号の技術的な要件(同規則の規則 4.及び 5.3.に限る。)に定める基準に適合する走行用ビームを発することのできる配光可変型前照灯を備える自動車とする。
2 走行用前照灯の灯光の色、明るさ等に関し保安基準第 32 条第2項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
走行用前照灯(最高速度 20km/h 未満の自動車に備える走行用前照灯を除く。)は、そのすべてを照射したときには、夜間にその前方 100m(除雪、土木作業その他特別な用途に使用される自動車で地方運輸局長の指定するもの、最高速度 35km/h 未満の大型特殊自動車及び農耕作業用小型特殊自動車にあっては、50m)の距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有するものであること。
二 最高速度 20km/h 未満の自動車に備える走行用前照灯は、安全な運行を確保できる適当な光度を有すること。
走行用前照灯の灯光の色は、白色であること。
四 走行用前照灯は、灯器が損傷し又はレンズ面が著しく汚損していないこと。
五 走行用前照灯は、レンズ取付部に緩み、がた等がないこと。
〔中略〕

6 すれ違い用前照灯の灯光の色、明るさ等に関し保安基準第 32 条第5項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
すれ違い用前照灯(その光度が 10,000cd 以上である走行用前照灯を備える最高速度20km/h 未満の自動車に備えるものを除く。)は、その照射光線が他の交通を妨げないものであり、かつ、その全てを同時に照射したときに、夜間にその前方 40m(除雪、土木作業その他特別な用途に使用される自動車で地方運輸局長の指定するもの、最高速度 35km/h 未満の大型特殊自動車及び農耕作業用小型特殊自動車に備えるものにあっては、15m)の距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること。
二 その光度が 10,000cd 以上である走行用前照灯を備える最高速度 20km/h 未満の自動車にあっては、すれ違い用前照灯は、その照射光線が他の交通を妨げないものであること。
三 すれ違い用前照灯は、第2項第3号から第5号までの基準に準じたものであること。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2019.11.15】〈第3節〉第 198 条より

細目? 告示? という法律用語に疑問を持たれた方は、申し訳ないですが自分で調べてください。

自分も良く分かっていません(まあ、ざっくり言えば、全部法律です)。

ここまでの内容をまとめると、

  • 夜間に道路を走行する際には、ライトを点灯しなければいけない。
  • ヘッドライト(前照灯)は走行用とすれ違い用の2種類を備えなければならない。
  • 走行用とは、前方を確認するためのライトで、白色のライトで、夜間に前方約100m先の障害物が確認できる明るさが必要(つまりハイビーム)。
  • すれ違い用途は、前方が確認できて、かつ、周りの交通の妨げにならないライトで、白色のライトで、夜間に前方約40m先の障害物が確認できる明るさが必要(つまりロービーム)。

このあたりが、少し前にニュースで大きく取り上げられた、「自動車のライトは原則ハイビーム」の根拠です(まあ、街中を走る際は対向車とのすれ違い必須なので、ロービーム点灯が標準という考えの方がしっくりくる気がしますが)。

ということで、夜間に道路を走行する車両のヘッドライトは、必ず点灯しなければならず、かつ、対向車や周囲を通行する人の妨げにならないよう配慮しなければいけない、ということがしっかり明記されています。

言われてみれば当たり前のことですが、実践していると自信をもって言える方は少ないのではないでしょうか。

自転車も同じなのか?

上で紹介した法律は自動車を想定していますので、そのまま丸々自転車に適用できるわけではありません。

特に走行用ヘッドライトとすれ違い用ヘッドライトを使い分けるなんてこと、おそらく誰もしていないし、できないでしょう(自分もしていません)。

では、自転車が分類されている軽車両は、ヘッドライトをどのように点灯すればよいのでしょうか。

道路交通法施行令(施行令:法律に付属し、その施行に必要な細則や、その委任に基づく事項などを定める政令。)の中で、軽車両の灯火について、以下のように説明されています。

(道路にある場合の灯火)
第十八条 車両等は、法第五十二条第一項前段の規定により、夜間、道路を通行するとき(高速自動車国道及び自動車専用道路においては前方二百メートル、その他の道路においては前方五十メートルまで明りように見える程度に照明が行われているトンネルを通行する場合を除く。)は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める灯火をつけなければならない。
一 自動車 車両の保安基準に関する規定により設けられる前照灯、車幅灯、尾灯(尾灯が故障している場合においては、これと同等以上の光度を有する赤色の灯火とする。以下この項において同じ。)、番号灯及び室内照明灯(法第二十七条の乗合自動車に限る。)
二 原動機付自転車 車両の保安基準に関する規定により設けられる前照灯及び尾灯
三 トロリーバス 軌道法(大正十年法律第七十六号)第三十一条において準用する同法第十四条の規定に基づく命令の規定(以下「トロリーバスの保安基準に関する規定」という。)により設けられる前照灯、尾灯及び室内照明灯
四 路面電車 軌道法第十四条の規定に基づく命令の規定に定める白色灯及び赤色灯
五 軽車両 公安委員会が定める灯火

道路交通法施行令第18条より

ここでいう公安委員会とは、ざっくりいうと警察を管理する組織のことで、内閣総理大事所管の国家公安委員会と、都道府県知事所管の都道府県公安委員会があります。

上記の法律にある公安委員会は、主に都道府県公安委員会のことを指します。

骨伝導イヤホンの記事を書いた時にも思いましたが、交通ルールって全国共通かと思いきや、結構都道府県ごとに違いがあるようですね。

と、いうわけで、前置きが長くなりましたが、自転車(軽車両)は、夜間にライトを点灯して走行しなければいけませんが、具体的な点灯の仕方は全国の各都道府県によって定められた規則に従わなければいけません。

自分が生活している近畿地方2府5県が軽車両の灯火について、どのように定めているのか調べてみましたので、一挙にご紹介します。

近畿地方2府5県の自転車のヘッドライトに関する交通ルール(令和2年3月現在)

大阪府

白色又は淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照灯
(大阪府道路交通規則第10条第1号)

京都府

白色又は淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照燈
(京都府道路交通規則第8条第1号)

滋賀県

灯光の色が白色または淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる性能を有する前照灯
(滋賀県道路交通法施行細則第11条第1号)

奈良県

灯光の色が白色又は淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる性能を有する前照灯
(奈良県道路交通法施行細則第12条第1号)

兵庫県

白色又は淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる性能を有する前照灯
(兵庫県道路交通法施行細則第6条第1号)

和歌山県

灯光の色が白色又は淡黄色で、夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる性能を有する前照灯
(和歌山県道路交通法施行細則第9条第1号)

三重県

灯光の色が白色又は淡黄色で、夜間、前方十メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる性能を有する前照灯
(三重県道路交通法施行細則第13条第1号)

調べた結果、自転車のヘッドライトに関するルールは、近畿地方2府5県が全て同じ内容のルールを定めています。

視認できる距離は10メートル程度と明記されていますので、自動車のように100m先を照らすようにハイビーム状態でヘッドライトを点灯するのではなく、足元を照らすぐらいの気持ちで、ライトを下に向けて点灯するよう気を付けましょう。

ちなみに、10mというのは、路線バスの全長とおなじくらいの長さです。

ロードバイクでは、どんなヘッドライトを使用するべきか

基本的に、ロードバイクは走ることに必要なパーツ以外は備わっていないため、ヘッドライトも別途購入して装着する必要があります。

では、どんなライトが良いのでしょうか。

上で紹介したように、夜間走行時のヘッドライト点灯は、対向者への配慮が不可欠です。

その対向者への配慮を設計に盛り込んだライトが、日本が誇る大手自転車用ライトメーカーのCATEYEから発売されています。

※2021年2月には、GVOLT70より明るさが増した、GVOLT100が発売されました(2021年3月現在は店頭販売のみ)

参考:対向車を眩惑させない矢印型配光を採用した前照灯 キャットアイ GVOLT70(cyclowired.jp)

参考:キャットアイ GVOLT100 上方向の光をカットする320ルーメンのフロントライト(cyclowired.jp)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は自転車のライト、その中でヘッドライトに焦点をあてて紹介しました。

ライト一つとっても法律で決められていることが分かり、いかに自分が何も知らないまま走っていたかが良く分かりました。

こういう細かいこともしっかり理解して、配慮しながら自転車に乗っている人もいれば、何も考えずにハイビーム状態で自転車に乗る人もいる。

前者として、周囲に配慮できる自転車乗りでありたいものです。

この記事が、自転車を趣味とされる方のお役に立てれば幸いです。

コメント

  1. クロ より:

    最近の車はオートハイビームで、多くの場合ロービームに切り替わらないので、車のライトも迷惑ですね。

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