自転車に乗るときに骨伝導イヤホンはOK? 近畿各県の交通ルールについて解説(令和2年現在)

COLUMN
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みなさん日々の生活ご苦労様です。

ギョーテンです。

前回の記事で、骨伝導イヤホンを紹介させていただきました。

その中で、サイクリストも活用しているよ! という紹介の仕方をしたのですが、

骨伝導イヤホンって、自転車に乗っているときに使用しても大丈夫なのか?

という疑問がふとわいてきました。

世界各国で交通ルールに違いはありますので一概には言えませんが、自分が暮らしている近畿地方の各都道府県でどのようにルールが定められているのか、調べてみましたので、紹介させていただきます。

※本記事で紹介するのは、あくまで各都道府県にて定められた道路交通法の内容を紹介するもので、自転車運転時の骨伝導イヤホンの使用を保証するものではありません。利用する場合は、自己責任でお願いいたします。

道路交通法による自転車運転時のイヤホン使用に関するルール

まず、自転車を始め、自動車や歩行者まで、道路を使用する際の危険を防止するために定められた日本の法律を道路交通法といいます。

道路交通法の第70条「安全運転の義務」という項目があり、車両を運転する際に守らなければいけないルールが書かれています。

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

道路交通法第七十条より

また、道路交通法第71条「運転者の遵守事項」という項目があり、第70条で書かれている、「他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転」するために守らなければいけないことが色々と書かれています。

ただし、ここにはイヤホンを使用することに関して具体的なことは書かれていません。

「他人に危害を及ぼさないように運転しなければならない」とあるので、運転に必要ないものは全てダメ、という風に捉えられなくもないのですが、何かしら確証につながるような情報が欲しいところです(ちなみに、携帯電話等を見ながらの運転はダメとはっきり書かれています。自転車でもダメです! 絶対!

ただ、道路交通法第71条の最後にこのような文章が書かれています。

前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

道路交通法第七十一条第六号より

ここでいう公安委員会とは、ざっくりいうと警察を管理する組織のことで、内閣総理大事所管の国家公安委員会と、都道府県知事所管の都道府県公安委員会があります。

上記の法律にある公安委員会は、主に都道府県公安委員会のことを指します。

で、道路交通法第七十一条第六号の内容は、ざっくりいうと「国が定めた法律以外にも、各都道府県ごとに独自に作ったルールがあるかもしれないから、ちゃんとそっちも確認してね」ってことです。

安易に、道路交通法に書いてないから大丈夫! っと判断しないように気を付けましょう。

法律は、守られることが大前提ですので、知らなかったでは済まされません。

近畿地方2府5県の交通ルールの違いを紹介(令和2年現在)

上で紹介したように、国が定めている道路交通法以外に、都道府県ごとに決められた交通ルールというものがあります。

自分が住んでいる関西地方(近畿地方)の2府5県がそれぞれ、運転中のイヤホン装着についてどのようにルールを定めているのか、調べましたので、一挙に紹介させていただきます。

大阪府

警音器、緊急自動車のサイレン、警察官の指示等安全な運転に必要な交通に関する音又は声を聞くことができないような音量で、カーオーディオ、ヘッドホンステレオ等を使用して音楽等を聴きながら車両を運転しないこと。(大阪府道路交通規則第13条第5号)

京都府

大きな音量でカーラジオ等を聞き、又はイヤホン、ヘッドホン等を使用しているため、安全な運転に必要な交通に関する音又は声を聞くことができないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令等を受信する場合は、この限りでない。(京都府道路交通規則第12条第13号)

滋賀県

カーラジオ等を高音にし、またはイヤホーン等を使用して聞く等安全な運転に必要な交通に関する音または声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、公共目的を遂行するための指令を受信する者が、イヤホーン等を使用するときは、この限りでない。
(滋賀県道路交通法施行細則第14条第6号)

奈良県

高音量でカーラジオ等を聞き、又はイヤホン、ヘッドホン等を使用して音楽を聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声を聞くことができないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホン等を使用するときは、この限りでない。
(奈良県道路交通法施行細則第15条第7号)

兵庫県

安全な運転に必要な音声を聞き取ることが不可能又は著しく困難な程度の音量で、音楽等を聴取し
ないこと。
(兵庫県道路交通法施行細則第9条第1項第12号)

和歌山県

大きな音量でのカーオーディオ、ヘッドホン等の使用により、警音器の音、緊急自動車のサイレン、警察官の指示等周囲の音が聞こえない状態で車両を運転しないこと。
(和歌山県道路交通法施行細則第12条第6号)

三重県

大音量で、イヤホーン、ヘッドホンその他の機器を使用して音楽を聴く等、警音器、緊急自動車のサイレン、警察官の指示その他の安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者がイヤホーン等を使用して当該目的のための指令を受信する場合は、この限りでない。
(三重県道路交通法施行細則第16条第13号)

※府県によって、名前が道路交通規則だったり道路交通法施行細則するのは特に意味はないそうです。

調べた結果、イヤホン(又はヘッドホン)という単語を使用してルールを規制しているのは、兵庫県以外の2府4県でした。

ただし、完全に使用を禁ずる、という内容ではなく、「大音量で」や、「安全な運転に必要な音または声が聴こえない状態で」という但し書きがついています。

これは、都合の良い解釈をすれば、

周囲の状況を把握し、安全な運転を心がけられるのであれば、イヤホンを使用して自転車を運転しても構わない

と、とらえることもできます。

が、

万が一、

イヤホンをした状態で事故を起こしてしまった場合は、問答無用で「安全な運転に必要な音や指示が聞こえていない状態」で運転していたと判断されて、裁判で不利になる可能性もあります。

自転車運転中は、たとえ骨伝導イヤホンであろうとも使用しないことが無難ではないかなと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回、骨伝導イヤホンをきっかけに道路交通法を少し調べてみましたが、巷で聞くような「耳をふさがなければ大丈夫」なんて、単純なものではないことが良く理解できました。

自転車を含めた車両運転時は、「他人に危害を及ぼさない」ことが法律で定められていて、そのために不要なものを排除しなければなりません。

事故らなければ良いんでしょ? と、軽く考える方もいるかもしれませんが、たった一度の事故で今まで築いたもの、これから待っていたであろう未来を一瞬で失ってしまう可能性もあります。

もし、骨伝導イヤホンを使用しながらのサイクリングを考えておられる方がおりましたら、もしもの事態を必ず想定して、自己判断で使用してください。

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