ロードバイクにチェーンは古い!? シャフトドライブの可能性

COLUMN
https://cyclingtips.com/2021/04/want-to-back-ceramicspeeds-driven-shaft-drive-concept-now-you-can/
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みなさん日々の生活ご苦労様です。

ギョーテンです。

少し前に、これからのロードバイクのトレンドとしてエレベーテッドチェーンステーが来るんじゃないか、という記事を投稿しました。

今回は、もう一つ個人的に気になっている技術の、シャフトドライブについて紹介したいと思います。

この記事の簡単なまとめ

  • 既存のシャフトドライブはチェーンドライブより駆動効率が悪い。ただし、悪路でも変わらない駆動効率は場合によってはメリットになる。
  • 既存のシャフトドライブはチェーンドライブに比べて重量が圧倒的に重く、メンテナンス性も悪いため、レーシング機材としては実用性がない
  • 既存の問題をクリアした次世代型シャフトドライブシステム「Driven」が開発中(2023年には実践投入されるらしい)。

シャフトドライブ(Shaftdrive)とは?

ロードバイク含めて、自転車でよく採用されている駆動方式はチェーンを介して動力を伝達するチェーンドライブ方式です。

シャフトドライブは、歯車の回転動力(トルク)を軸(シャフト)を介して伝達する駆動方式のことを指します。

スポーツタイプの四輪自動車でよく採用されているのがこの方式です。

シャフトドライブの構造(Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AF%E8%BB%8A)より)

二輪車では、オートバイメーカーのBMWやホンダが一部のモデルでシャフトドライブ方式を今でも採用しています。

自転車でも、一部のママチャリやミニベロにシャフトドライブを採用しているメーカーがほんの一部あります。

Image by Dietmar Franzen from Pixabay

なぜ、次に来ると思ったのか?

シャフトドライブがなぜ次のトレンドになると感じたのかというと、エレベーテッドチェーンステーのことを調べているときにシャフトドライブを知ったのですが、エレベーテッドチェーンステーとすごく相性がよさそうな駆動方式だなと感じたからです。

エレベーテッドチェーンステーのメリットの1つは、「後輪の左右のブレが少ないので走行ロスが小さいかもしれない」ことです(「かもしれない」と書いたのは、あくまで自分の推測で、根拠のあるものではないからです)。

そこへさらにシャフトドライブを導入することで、チェーンドライブによって後輪の右側だけに生じる「後輪を前方に引っ張る力」がなくなり、後輪の直進安定性がさらに高まるのではないか、と考えたからです。

あくまでも自分の妄想なので実際はどうか分かりませんが、試してみる価値はあると思います。

シャフトドライブの特長とデメリット

一般的に言われているシャフトドライブのメリットとデメリットを紹介します。

メリット

  • 駆動部分がカバーで覆われた密閉構造なので、ほぼメンテナンスフリー
  • 天候や路面状況の影響を受けにくい
  • ズボンや長いスカートの裾がチェーンの潤滑油で汚れない

デメリット

  • 重い
  • 最終減速比の変更が困難(ギア比のカスタムが難しい)
  • 後輪の交換がすぐにできない
  • 製造コストが高い
  • 自転車用シャフトドライブを整備できるショップがほとんどない
  • チェーンドライブ用変速器と互換性がない

シャフトドライブの駆動効率について

チェーンドライブとシャフトドライブの駆動効率ですが、どちらが優れているのか、色々なサイトを見て調べてみたのですが、確たる根拠を持ったデータを見つけることはできませんでした。

ただ、とあるYoutubeチャンネルでは、1983年に行われた、駆動方式の違いによる伝達効率実験の結果、シングルスピードのチェーンは150ワットで約99%の効率、シャフトドライブの効率は約92%という結果があり、シャフトドライブはチェーンドライブに比べて7%も損失が大きいという結果が残されています。

実験の詳細が不明ですので確かなことは言えませんが、シャフトドライブがチェーンドライブに比べて著しく効率が良い、ということはなさそうです。

結局、シャフトドライブはロードバイクにとってアリなのか?

ロードバイクにシャフトドライブを導入したとすると、チェーンドライブと比べたときのメリットデメリットは以下の通りになります。

メリット

  • 走行時の出力値が天候や路面状況に左右されない
  • 定期メンテナンスの頻度が減る

デメリット

  • 重くなる
  • パワーの伝達効率が落ちる
  • 互換性のあるパーツがない
  • ショップでメンテナンスができない
  • レース時に後輪トラブルがあっても交換ができない(ドライブ機構を分解しなければいけない)

っと、デメリットの方が多くなってしまいました。

次にくる! とか勝手に盛り上がって調べ始めたのですが、現状のシャフトドライブはロードバイクに導入されるのは難しい、ということが分かってしまいました。

Drivenに期待

既存のシャフトドライブシステムでは、ロードバイクへの導入は無理であることはよく分かりました。

では、上で挙げたような課題を解決したシャフトドライブはないのか、というと、実は期待できそうなものが一つあります。

それが、CeramicSpeed社(今は開発チームが独立した.Driven Technologies Incという会社で開発を進めている)が開発している「Driven」です。

Drivenとは?

2018年にCeramicSpeed社がユーロバイクで発表し全世界から注目を集めた、次世代型シャフトドライブシステムです。

シャフト部分をカーボン製に、歯車部分をベアリングに、変速機構を内装式からチェーンドライブ同様のスプロケット式にすることで、シャフトドライブ最大の課題である重量とメンテナンス性の悪さを改善したものです。

当時(2018年)のデュラエースと比較して、49%も摩擦抵抗を減らすことができるのだとか。

Drivenが発表されたのはコロナ禍前のことで、コロナ禍に入ってからは日本に全く情報が入ってきませんでした。

今回、この記事を書くにあたってネットで続報がないか調べてみると、海外のCyclingtipsというサイトで2021年にインタビュー記事が出ていました。

詳しい内容はリンク先の記事を読んでいただきたいのですが、その記事によれば、

  • コロナ禍で進行は遅れているが、開発は進めている。
  • まずはUCIルールに縛られない、トライアスロンにDrivenを投入する予定。
  • UCIに承認えおもらって、ロードレースにも参入したい。
  • 2023年にはトライアスロンバイクとして実用化も計画している。

とのこと。

この情報が真実なら、来年あたりには再び、ロードバイク業界でもシャフトドライブで盛り上がるかもしれませんね。

参考ページ:WANT TO BACK CERAMICSPEED’S DRIVEN SHAFT-DRIVE CONCEPT? NOW YOU CAN(CYCLINGTIPS.com)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

現時点では全く採用の気配がないドライブシャフトですが、Drivenを始め、世界的にみれば、これから動きがありそうな技術ですので、期待してみたいと思います。

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