みなさん日々の生活ご苦労様です。
ギョーテンです。
過去記事(カーゴバイクはママチャリのように子供乗せ自転車として活用できるのか?)で紹介した、Tern HSD P9についての続報です。
海外では、子供のせ自転車として活用されまくっているHSD P9ですが、なぜ日本では推奨されないのか、もう少し深掘りしたいと思います。
それと、たまたま試乗できる機会に恵まれましたので、その試乗レポートも紹介したいと思います。
Tern HSD P9への幼児用座席取り付けについて
過去記事では、「HSD P9への幼児用座席の設置は推奨しておりません」という説明が日本の公式HPに記載されている、というところまで紹介しました。
今回は、「なぜ推奨していないのか」を詳しく調べてみましたので説明します。
日本で推奨しない理由について、公式の正式な回答
ネットを検索していると、Tern Bicycles 日本総代理店の株式会社アキボウが、Tern製品への幼児用座席取り付けに関して、正式に回答している文書データを見つけましたので、内容を抜粋して紹介します。
日本において幼児用座席を取り付ける自転車は日本国内の安全基準(JIS規格、SG基準、BA基準等)を満たす必要がある。
その基準は、
① 一本スタンドを備えた自転車では、幼児用座席を取り付けてはならない。
② 幼児座席が装備された幼児座席付自転車にあっては、両立てスタンドを装備する事。Tern製品ならびに一般的なスポーツバイクの多くはシングルスタンドを使用しているため、幼児用座席に対する国内の安全基準要件を満たしておりません。また、Tern製品の車両構造上、既製品として一般に販売されている両立スタンドは取り付けすることができません。
なお、オプションパーツとして販売いたしておりますダブルレッグセンタースタンドにつきまして、その安定性の観点から弊社といたしましては、幼児用座席使用時における使用を推奨いたしません。上記の事から、弊社が販売する Tern 製品に幼児用座席を取り付け、使用された事に起因
「日本国内における幼児用座席(チャイルドシート)の取り付け、使用について」より(https://www.ternbicycles.com/sites/default/files/2021-04/%E5%B9%BC%E5%85%90%E7%94%A8%E5%BA%A7%E5%B8%AD%E3%81%AE%E5%8F%96%E3%82%8A%E4%BB%98%E3%81%91%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf)
する不具合や、発生した事故等につきましては、弊社では一切の責任を負いかねます事ご了
承ください。
ダメ押しで、Tern公式HPのお問い合わせフォームへも質問してみましたが、まったく同じ内容の回答をいただきましたので、間違いないです。
両立てスタンドってなに? センタースタンドと何が違う?
上の説明内容をみる限り、海外と日本の基準の違いは「自転車スタンドの違い」だけのようです。
では、日本の基準で必要な両立てスタンドとは何を指すのでしょうか?
JIS規格では、両立てスタンド(JIS内では両立スタンドと標記)の定義を以下のように解説しています。
両立スタンド 自転車が倒れないように、車輪の両側からスタンドで自転車を直立に保持するための装置
JIS D9453より
つまり、ママチャリで見かける、あの後輪のエンド部へ取り付ける構造と同じ自転車スタンドがついていなければ、幼児用座席を取り付け可能な自転車としての基準を満たすことができない、ということです。
ちなみに、センタースタンドというのは、チェーンステーのBB付近に取り付ける、主に2本足のスタンドの事です。
両立スタンドに近い構造なのですが、JISの定義にはあてはまりません。
両立スタンドがついていない自転車に幼児用座席をつけてはいけないのか?
幼児用座席が取り付けられていない自転車へ、購入後にあとから幼児用座席を取り付けようとしたとき、その自転車が両立スタンドでなければ幼児用座席を取り付けしてはいけないのでしょうか?
ノー(取り付けても問題なし)だが自己責任、です。
JIS規格などの基準はあくまで製品としての品質を保持するために設けられたものです。
自転車が公道上を走る際のルールは道路交通法に基づくため、法律に「JIS規格に則った自転車でなければ幼児用座席を装着してはならない」という記載がなければ、両立スタンドではない自転車に後付けで幼児用座席を装着し、走行しても問題ありません。
※あくまで個人の見解です。勉強不足により法律の解釈が間違っていた場合はご意見いただければ修正します。
しかしながら、「法律に違反していない」というだけで、JIS規格など公的機関が設けた安全基準を満たしていない使い方は、どんな危険が発生するかわからないということに変わりはありません。
自分ひとりならいざ知らず、子どもの命を預かるような乗り物については乗り方を慎重に考えたほうが良いかもしれません。
まあ、基準が時代に合っていないだけ、という指摘もあるので、一概には言えませんが。
なので、メーカーも「できない」ではなく「推奨しない」という表現にとどまっているのだと思います。
Tern HSD P9の試乗レポート
HSD P9のことが気になりすぎた結果、試乗してきちゃいましたので、簡単にですが試乗した感想を書きたいと思います。
試乗したのは、ワイズロード大阪本店さんです。
たまたま別の用事で行ったときに、「期間限定試乗車」の張り出しが目に留まり、乗せてもらいました(今も試乗可能かは不明ですので、希望される方はお店に問合せてみてください)。
乗った時間は15分程度と、非常に短い時間ですので感想の域を出ませんが、感じたことをメモしたいと思います。
試乗して感じたこと
- 電動モーターの恩恵か、漕ぎだしがとても楽。
- 坂道も勿論、難なくこなせる。
- フロントサスペンションもしっかり機能していて、乗り心地抜群。
- コーナーリングも問題なし。ただし、荷物を載せたときは勝手が違うかも。
- 純正サドルは自分にあわず、乗った瞬間から痛みがあった。
- サドルやハンドル、シートポストは交換可能なので、自分の好みに合わせてカスタムできる。
まとめ
いかがでしょうか。
個人的には、外観もおしゃれですし性能も十分なので、予算があれば、子供乗せ自転車として活用できればなと思っていたのですが、今の日本の安全基準を鑑みれば、家族の理解を得るのは難しそうです。
残念ですが、今後の安全基準の見直しに期待したいと思います。
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